ふれる2022.02.25

浮遊する地球上の宇宙SPOT探訪 vol.1

光と音のハオハオハオ

地球上には時空間の境を超え、様々な年代や土地からどこからともなく磁場によって集められたモノが同居する場所があります。表向きはリサイクルショップやアンティークショップ、個人のオンラインストアという顔を持ちながら、店主でも大元を辿ることは難しい年代物や、国籍のわからない古物・古道具が扱われ、常識的な価値に囚われない謎なセレクトが集結している場所。宇宙編集部ではそんな不思議な場所を、地球上における「宇宙スポット」と定義することにしました。本連載では「宇宙スポット」の主の“宇宙観”について伺うとともに、磁場の正体と実際に出所が不詳(?)なアイテムをピックアップ。

 

 

第1回目で紹介するのは『光と音のハオハオハオ』。

中国の音楽ユニット『FM3』が発売したアンビエントマシーン『Buddha Machine』がきっかけとなり、知る人ぞ知る世界的プロフダクトとして広がりを見せつつある“ブッタマシーン”。光と音に関するプロダクトの販売を行う『光と音のハオハオハオ』は、そんなアジア各国の念仏や仏教ソング、民謡などを収録したジュークボックス「ブッタマシーン」を扱い、昨年2月には日本初のオリジナルブッダマシーン(電子念仏機)「天界」を発売した名店。今回未だ謎多きブッダマシーンの世界を入り口に、その宇宙観をお届けします。

  • 光と音のハオハオハオ

    世界中の光るものや音の出るものを販売するショップとして通販サイトを運営。商品ラインナップの中でも中国のお経が流れる機械ブッダマシーンの品揃えは日本一を誇り、2021年にはオリジナル電子念仏機「天界」を発売。

    https://hao333.theshop.jp/

    https://www.instagram.com/haohaotokyo23/

 

「宇宙」へ通ずるブッダマシーン

 

私たちが最も身近に感じる宇宙といえば、空に光り輝く天体ではないでしょうか?日本で人気を誇るブッダマシーンは、やはりビカビカと光り輝く派手な見た目をしたタイプ。ミャンマーでは電飾で彩られた仏像をよく見かけますが、私たちにとって「光」というものは生活に必要不可欠で身近な存在でありながらも、夜空に輝く星のように手の届かないどこか神聖な存在でもあるのではないかと思います。

近年中国で発売されるブッダマシーンはマイクロ化・シンプル化・ハイクオリティ化の一途を辿っており、かつて皆さんが「電子念仏機(ブッダマシーン )」と聞いて思い浮かべたような「ギラギラと光り輝いてローファイな音が流れるザ・アジアの雰囲気漂うガジェット」という印象とは一線を画すような、シンプルでエレガントな雰囲気が漂うお洒落路線(もちろん光らない)のブッダマシーンばかりが発売され続けています。

 

 

 

ビカビカと光り輝き、極彩色豊かでアジアの雰囲気漂うブッダマシーンに惹かれて収集し始めた私としては少し残念な傾向ではありますが、それでもひたすら高級路線まっしぐらのブッダマシーンを収集し続けていました。そこで出会ったのがこちらのブッダマシーンです。一見するとまさに近年発売されているブッダマシーンと同様の傾向が見られるエレガントで高級路線のブッダマシーンですが、電源を入れると水墨画のようなイラスト部分が七色に光り輝くのです!!!ブッダマシーンに新たな可能性を感じ、一筋の光が見えた瞬間でした。

 

 

ハートタイプのブッダマシーン 

 

こちらはハートの形が可愛くてお気に入りのブッダマシーン。一昔前のブッダマシーンといえば、四角いボックス型のものが定番で「南無阿弥陀仏」とペイントされていて1曲だけ念仏が収録されているようなかなり無骨なデザインのものが多かったので、このような可愛らしいタイプが発売されるに至った経緯も非常に気になるところです。このブッダマシーン以外にもラインストーンが付いたピンク色の可愛らしいブッダマシーンや、付属しているストラップにニコちゃんマークがあしらわれているポップなブッダマシーン等も存在するので、一時期ブッダマシーンメーカーにギャルの魂を持つ人がいたのかもしれません。

 

 

この地球上のどこかで「こういうブッダマシーンが作りたい!」という熱い思いを持った人が居てくれたお陰で私の手元にこんな可愛らしいブッダマシーンが存在するのは有難いことだなと思いながら、ついついブッダマシーンが作られた経緯を妄想してしまいます。

 

 

 

ソーラータイプのブッダマシーン

 

200種以上のブッダマシーンを収集している私が、なるべく収集しないでおいているブッダマシーンのジャンルがあります。それが、「蓮の花の形をしたブッダマシーン」です。このタイプはコピー品が非常に多く横行しており、形も大小様々なものがありすぎて集めても集め切れないということと、かさ張るのでストックしづらいという単純な理由によって、あえて収集は最小限に留めています。

 

しかし、そんな蓮の花の形をしたブッダマシーンの中でも、特にずっと気になっていたにも関わらず手を出せずにいたブッダマシーンがありました。それがこちらの土に挿して使うソーラー電池タイプの屋外用ブッダマシーンです。何故屋外用なのか?というと、どうやらお寺や霊園などに設置して日中の太陽が出ている時に延々と念仏を流し続けるために使うのが主な目的のようです。その使用目的を聞いて買わずにはいられなくなり早速入手しましたが、5-10秒程度のかなり短い念仏ループが200種収録されていました。実際に現地のお墓でこのブッダマシーンが使われている様子を見たことはないのでどんな光景が広がっているのかは想像するしかありませんが、四方八方にこのブッダマシーンが植えられ、そこから念仏が流れているのだとしたらそこはかなり冥界に近いのではないでしょうか。

 

 

 

天界

 

2005年にブッダマシーンと衝撃の出会いを果たして以来、世界中を周ってありとあらゆる電子念仏機を探し集めてきました。もともと念仏機を好きになったきっかけは見た目のポップさや収録されている念仏・楽曲の格好良さでしたが、中国語がわからないながらも収録されている念仏や楽曲の意味・意図を調べていくにつれ、どんどん念仏機の奥深さに引き込まれていきました。そして仏教徒の人も仏教徒でない人も、いつでもどこでもスイッチを押せば癒しと安らぎ、そして驚きを届けてくれるような念仏機を作りたいという思いで日本初のブッダマシーンを生産するというプロジェクトを立ち上げました。結果として14組のアーティストの方々に楽曲を提供していただき、宗派の垣根を超えて5宗派8名の僧侶の方々に念仏・声明・読経・御文を提供していただくことができ、活動の集大成とも言うべきブッダマシーンを作ることができました。それが日本初オリジナル電子念仏機「天界」です。

 

 

ここにあげているのは、「天界」に収められている一部の楽曲です。

 

正信念仏偈六首引より念仏・和讃二首「解脱の光輪きわもなし」 -Tariki Echo 

般若心経 (cho ver.) [long mix]- 薬師寺寛邦 & キッサコ

Dodarebachi -Omodaka

ナマンダーズのテーマ (ver.1)  – ナマンダーズ

 

 

何十年先の未来には、ストリーミングサービスが主流になり、現代では残らない楽曲も沢山あるのではないかと思いますが、ブッダマシーンであればCDプレーヤーのような専用再生機器も不要でその当時の熱量を再現できるというロマンもあります。ブッダマシーンの先に広がる宇宙。ぜひみなさんも覗いてみてください。

 

 

ブッダマシーン「天界」の使い方動画をyoutubeでもご紹介。

天界をお持ちの方もそうでない方もよければチェックしてみてください。😉

「光と音のハオハオハオ Youtube」