特別連載2021.11.16

平野陽三、宇宙へ行く。vol.16 9月27日:オリエンテーションの日。

photo & text Yozo Hirano

出発まであと72日。

今日は明日の訓練に向けたオリエンテーションがあった。ついに明日、ZERO-G FLIGHT、無重力を体験する。

 

専用のジャンボジェットを飛ばし、パラボリックフライトと呼ばれる飛行で、急上昇と下降を繰り返す。急上昇しきったところで飛行機の推進を止めると、少しの間だけ機内が無重力に限りなく近い状態になる。その間25秒。25秒の無重力を一回のフライトで10回、掛けることの2フライト。つまり合計で500秒程度、無重力を味わえることになる。

 

1回目のフライトでは、フライトスーツを着て様々なアクションを、2回目のフライトでは無重力下で宇宙服の脱ぎ着を練習するらしい。たしかに、ISSに到着した際と、ISSから離れる際には、実際に無重力下で宇宙服に脱ぎ着しなくてはいけない。

 

ISSへ行く楽しみは?と聞かれたら、僕は真っ先に「無重力空間での生活」を挙げる。宙に浮くってどういう感覚?考えても想像すらできず、未知の体験を目前にとにかく楽しみでしかなかった。

 

オリエンテーションのあとはロシアモジュール内でのカメラ&ビデオ講習、フィジカルトレーニングと続いたが、もう気持ちは完全に明日のゼログラビティに向いていた。

 

<次の記事>。vol.17 9月28日:ZERO-Gフライトの日。

 

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