特別連載2021.11.16
photo & text Yozo Hirano
出発まであと72日。
今日は明日の訓練に向けたオリエンテーションがあった。ついに明日、ZERO-G FLIGHT、無重力を体験する。
専用のジャンボジェットを飛ばし、パラボリックフライトと呼ばれる飛行で、急上昇と下降を繰り返す。急上昇しきったところで飛行機の推進を止めると、少しの間だけ機内が無重力に限りなく近い状態になる。その間25秒。25秒の無重力を一回のフライトで10回、掛けることの2フライト。つまり合計で500秒程度、無重力を味わえることになる。
1回目のフライトでは、フライトスーツを着て様々なアクションを、2回目のフライトでは無重力下で宇宙服の脱ぎ着を練習するらしい。たしかに、ISSに到着した際と、ISSから離れる際には、実際に無重力下で宇宙服に脱ぎ着しなくてはいけない。
ISSへ行く楽しみは?と聞かれたら、僕は真っ先に「無重力空間での生活」を挙げる。宙に浮くってどういう感覚?考えても想像すらできず、未知の体験を目前にとにかく楽しみでしかなかった。
オリエンテーションのあとはロシアモジュール内でのカメラ&ビデオ講習、フィジカルトレーニングと続いたが、もう気持ちは完全に明日のゼログラビティに向いていた。
<次の記事>。vol.17 9月28日:ZERO-Gフライトの日。
1985年、愛媛県生まれ。2007年にZOZOTOWNを運営する株式会社「スタートトゥデイ」に入社、フルフィルメント部門の責任者として従事。現在は前澤友作氏のマネージャーと、「スペーストゥデイ」のプロデューサーを務める。