特別連載2021.11.16

平野陽三、宇宙へ行く。vol.18 9月29日:モスクワ市内の動物園へ。

photo & text Yozo Hirano

出発まであと70日。

この日はZERO-Gフライトの天候予備日となっていたため訓練はお休み。みんなでモスクワ市内の動物園に散歩がてら赴いた。

 

歩いていると、まだなんだか昨日のゼロGの感覚が残っている気がして変な感覚だった。人によっては体調を崩す人もいるようで、そのあたりも考慮して今日は訓練を休みにしてくれているのかな、スターシティも意外と優しいね、なんて言いながら束の間の臨時休暇をほのぼの楽しんだ。

 

動物園なんて何年振りだろう。今日は天気も良くて最高の動物園日和だった。気持ちロシアの動物たちはワイルドで、サイズも少し大きいような気がした。

 

それと、パンダがいた。実際にパンダを見るのって、意外と初めてかもしれない。可愛いパンダに癒された。

 

そんなふうに動物園を楽しんでいると、小木曽の携帯が鳴った。電話はGCTCからだった。

 

「どこにいるんだ?」
「動物園です」
「なんだって?授業が始まってるぞ」

 

なぜか小木曽だけは今日も訓練があったらしい。慌てて動物園を出て、小木曽は一人スターシティに向かった。

 

<次の記事>vol.19 9月30日:野口宇宙飛行士ミッション報告会。

 

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