特別連載2021.11.17

平野陽三、宇宙へ行く。vol.20 10月1日:操作のシミュレーション

photo & text Yozo Hirano

出発まであと68日。

今日の訓練もソユーズのモックアップに入ってのシミュレーション。今日は気圧漏れや火災など緊急事態が発生した場合にソユーズをどう操作するか、というレクチャーが行われた。

 

通常のフライトのときとは違う操作手順に、覚えることが多くて困惑する。基本的にはコマンダーの指示を受け、自分の持ち回りを操作するのだけど、なんでこのときにスイッチオンするんだっけ?このバルブってどこに繋がってるんだっけ?などと頭で考えていると追いつかなくなってくる。

 

それにソユーズの中はあまりにも狭くて、その中に大人3人がぎゅうぎゅうに収まっているものだから空気も薄いような気がするし、体勢はお母さんのお腹の中にいるときのように体を丸めて寝そべっているので、訓練中にとてつもない睡魔に襲われる。

 

4時間のシミュレーションが終了すると、あっという間に一日が終了していた。そして、あっという間に1週間が終了していた。

 

<次の記事>vol.21 10月2日:未来ある子どもたちへ。

 

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