特別連載2021.12.06
photo & text Yozo Hirano
出発まであと15日。
バイコヌールに来て、毎日1時間入れられている「Symbolic Activity」という奇妙なスケジュールがある。何をやるかというと、僕たちの写真にひたすらサインを書くというもの。スタジオで3人で撮ったオフィシャルポートレートや個人のポートレート、ソユーズ前で撮った写真など、何種類かの写真にサインをしていく。
今まで、もちろん自分のサインなんて作ったことのない一般人の僕は、筆記体で名前を書いているだけで、カード決済のときのサインとなんら変わらない。
GCTCにいたときにも何枚か書かせてもらったけど、今回はその数が異常だ。おそらく1日300枚以上、全部で5000枚くらいあるという。そんなに一体誰に配るというのか。
写真の配り先は、ロスコスモス、エネルギア、GCTC、ズベズダなどで働く、お世話になっている宇宙関連の人々がメインだというけど、それにしても5000枚って多くない? 僕の写真とサインなんて絶対そんなに要らないだろうと心の中でボヤきながら、今日もひたすらにサインに集中している。
余ったら誰かもらってやってください。
1985年、愛媛県生まれ。2007年にZOZOTOWNを運営する株式会社「スタートトゥデイ」に入社、フルフィルメント部門の責任者として従事。現在は前澤友作氏のマネージャーと、「スペーストゥデイ」のプロデューサーを務める。