特別連載2021.12.07

平野陽三、宇宙へ行く。vol.68 11月28日:バイコヌールでの1日。

photo & text Yozo Hirano

出発まであと10日。

バイコヌールでの生活は、基本的に毎日規則正しく、同じルーティンを繰り返す。ここ一週間の日々のスケジュールはざっとこんな感じ。

 

9:00 起床:意外と遅め。

 

9:20 メディカルチェック:体重と体温、たまに血中酸素濃度と血圧を計って、よく眠れたよとドクターに報告するだけ。

 

9:30 朝の散歩:ホテルの敷地内を早歩きで20分ほど歩く。

 

10:00 朝食:いつも目玉焼きとソーセージのプレートを頼む。目玉焼きは半熟で日本人好み。

 

10:30 講義:あったりなかったり。

 

11:30 ティルトテーブル:ベッドを逆さにして頭に血を上らせるロシアの謎トレーニング。

 

12:00 回転椅子:日記でも書いたことがあるけど、これは毎日ちょっと憂鬱。終わったあとはしばらく気分が悪い。

 

13:00 実験に参加:無重力下での毛細血管の血流を調べるLazma(ラズマ)という実験。宇宙滞在時と比較するサンプルを取るため、地上でも同様の実験を毎日実施している。

 

14:00 フィジカルトレーニング:ランニング、ウェイト、バドミントン、ストレッチなど。トレーナーと相談して、毎日自由に組み合わせる。

 

16:00 サイン:一日300枚くらい写真にサインする。本当にこんなに必要なのか疑問。

 

17:00 ディナー:ランチを抜いてディナーの時間を早めてもらっている。ディナーは、日本から帯同してもらっている日本人シェフの料理をみんなでいただく。

 

20:00 フィジカルトレーニング:昼やらなかったメニューを。みんなでバドミントンをすることも多い。

 

21:30 マッサージ:ありがたい癒しの時間。

 

22:00 自由時間〜就寝:打ち合わせをしたり、メールをチェックしたり、なんだかんだ寝るのは大体2時前後。

 

毎日ほぼこれの繰り返しで、しかもほとんど頭を使わないので、こっちに来て何日経っているのか、曜日感覚も薄れてくる。気付けばもうバイコヌールに来てから10日目が終わろうとしている。そして、同じく打ち上げまで残り10日となった。

 

心の準備ができているような、できていないような。

 

<次の記事>vol.69 11月30日:増えていく記念写真。

 

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