特別連載2021.11.11
平野陽三、宇宙へ行く。 vol.1 9月12日：ヒューストンへ。
photo & text: Yozo Hirano
出発まであと87日。
出発の日。これからNASAの訓練を受けにヒューストンへ。その後は12月の打上げまでロシアに行ったきりになる。
3ヶ月分の荷物なんて詰めたことがないから、何を詰めても足りない気がしてギリギリまでパッキング。自分が宇宙に行くなんて実は今でも実感がないんだけど、バタバタと家を出掛ける間際に妻が泣いてしまって、「あ、本当にこのまま宇宙に行っちゃうんだな」って、少しだけ実感が湧いた。
18時ちょっと過ぎ。会社のみんなが成田まで見送りにきてくれた。毎日一緒にいるみんなと年末まで会えないんだなと思うと、これまた少し実感が湧いてきた。
前澤、バックアップクルーの小木曽、サポートスタッフ2名、カメラマンの6人で飛び立った。離陸してしばらくして、みんなで乾杯をした。前澤が少しかしこまって、僕たち一人一人に、「ここまでありがとう。またこれからよろしく」と言った。この瞬間、いよいよ始まるんだなと思った。みんなの表情に笑みと覚悟があらわれた。
今日は奇しくも、宇宙の日。
偶然なのか、必然なのか。
どんなにツライことがあっても、絶対に乗り越えようと思う。
とりあえず、今のところは。
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平野陽三（ひらの・ようぞう）
1985年、愛媛県生まれ。2007年にZOZOTOWNを運営する株式会社「スタートトゥデイ」に入社、フルフィルメント部門の責任者として従事。現在は前澤友作氏のマネージャーと、「スペーストゥデイ」のプロデューサーを務める。
