体感する2021.12.30

人類史上最高に神々しく美しい! 宇宙の初日の出をライブ配信!

text: Hiroya Ishikawa

「みんなで #宇宙の初日の出 を見に行こう!〜THE SPACE SUNRISE LIVE 2022〜」

今年の大晦日の夜は、めちゃくちゃ楽しみなライブ配信があります。 それが「みんなで #宇宙の初日の出 を見に行こう!〜THE SPACE SUNRISE LIVE 2022〜」。自宅に居ながら宇宙からの初日の出をリアルタイムで見られるっていうんです。

 

これがどれだけすごいことなのか!? 史上初の宇宙からの双方向ライブ配信を手がけるバスキュール代表の朴正義さんにお話を伺ってきましたので、内容や感じたことをまとめてご紹介したいと思います。

 

舞台は先日、前澤友作さん、平野陽三さんも滞在した国際宇宙ステーション(以下ISS)。この中にある日本実験棟「きぼう」に開設した「KIBO宇宙放送局」から地球の様子をライブ配信するんですね。視聴の仕方は、KIBO宇宙放送局のTwitterアカウント(@KIBO_SPACE)にアクセスするだけ。宇宙から見た地球の景色をライブで楽しむなんて、本来はISSに行かないとできない体験です。

 

特に年末年始の旅行が自粛ムードの今、近場にすら行きにくい状況にもかかわらず、Twitterアカウントにアクセスするだけで、地球一周90分の宇宙旅行気分が味わえるんです。 初めての開催となった昨年は550万人以上が視聴し、早くも年末年始の一大イベントとして多くの人に認知されつつあります。リアルな場所に大勢の人が集まることは難しくても、この配信に参加すれば、国内外のみんなと時間と体験を共有できるんです。

 

 

JAXAやNASAの協力で地球一周のライブ配信が実現!

 

そもそもKIBO宇宙放送局は、宇宙と地上をリアルタイムでつなぐことができる世界で唯一の双方向スタジオ。これは日本の宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)の協力を得て運営していますが、JAXAだけで実現できるものではありません。スタジオのあるISSは15か国で共同運用しているため、JAXAを通じて各国の機関から承認を得る必要があります。これだけでも大変な作業だと想像がつきますよね。

 

さらに言えば、地球から高度400kmを一周するISSが、その間、配信を途切れずに続けるためには、ISSから地上に電波を下ろすのではなく、ISSからさらに上にあがり、高度3万6,000kmにある静止通信衛星を通じて地上との通信を成立させる必要があります。ただ、ISSがすごいスピードで動いているため、静止通信衛星1基では通信をカバーできず、地球を囲む静止通信衛星を次々に切り替えてリレーし続ける必要があるんです。

 

なんせISSのスピードは秒速7.7km! 東京駅から品川駅までがおよそ7kmなので、この間を1秒で移動しているイメージです。東京駅で「こんにちは」と声をかけた瞬間に、相手が目の前から消えて品川駅にいる。我々の感覚ではテレポーテーションかよっ! とツッコミたくなるような超高速のISSと通信し続けるのは、並大抵のことではないですよね。

 

この地球規模の通信ネットワークはTDRSと呼ばれ、これを構築しているアメリカ航空宇宙局(以下NASA)の協力がなければ、この地球一周のライブ配信はできないんです。

 

 

つまり、KIBO宇宙放送局は、ISSに加えてTDRSも活用して実現する、とんでもなく贅沢なエンターテイメントプロジェクトだってこと。世界規模の許諾や地球スケールの通信技術の利用などを経て、ようやく拝むことができるのが、ISSから見える地球1周ライブであり、宇宙の初日の出ってわけです。いわば、21世紀の人類がようやく辿り着いたエンターテイメントといえるんですね!

 

ちなみにISSの建設、運用コストは、朴さんによればトータルでおよそ1500億ドル、日本円でおよそ17兆円とのこと。もちろんこのライブ中継のためだけにISSが存在するわけではありませんが、同じことをイチからやろうとすると、ISSだけでもざっとこれくらいの費用がかかるってことです。とんでもないことですよね。

 

 

元旦、深夜1時8分の初日の出を絶対に見逃すな!

 

そんなわけで「みんなで #宇宙の初日の出 を見に行こう!〜THE SPACE SUNRISE LIVE 2022〜」の地球一周90分のライブ配信は、それ自体がまるごと見どころですが、なにかと忙しい年越しの時間帯だけにすべて見られない人もいるかと思います。そんな人のために注目ポイントをご紹介すると‥‥まずは年越しカウントダウン! 世界にはニューヨークのタイムズスクエアやパリの凱旋門前などカウントダウンの名所はいろいろありますが、それらを超越する場所が宇宙ではないでしょうか。宇宙からライブで地球を見ながら新年を迎えたらどんな気分になるのか? 実際に体験、体感する瞬間が今から楽しみです。

 

また、90分で地球を一周するわけなので、通過する半分の時間は昼で半分の時間は夜です。地球の裏側は昼夜が真逆だってことは常識として頭では理解していますが、実際にその様子を見たらどう感じるでしょうか? 当然ライブ配信中には夜から昼になる瞬間と昼から夜になる瞬間が必ずあるため、日の出と日の入りを両方鑑賞できるのもポイントです。中でもメインイベントとなるのは、やはり宇宙から見る初日の出ですよね。 今回のライブ配信でそれが見られるのは、予測では日本時間で2022年元旦の深夜1時8分頃。1時5分頃から地球の輪郭に沿って空気の層が青く光り始めるので、90分すべて見られない人もここから太陽が昇りきるまでの約5分間は必見! できれば余裕をもって1時頃からアクセスして、配信画面の前でワクワクしながらその瞬間を待つと良いでしょう。リアルな初日の出と一緒で、待つ時間が長ければ長いほど感動も深くなるはずです。

 

地球の向こう側から太陽が昇り、地球の向こう側に太陽が沈んでいく。前澤さんも宇宙で最高の光景は日の出だと言っていましたが、ただ今回は年に一度の「初日の出」です。地上にいながらにしてライブでみんなと一緒に見られるのは、21世紀のまさに今だからこそ。ピュアな美しさを湛えた神々しい光景は、ひょっとしたら人類が目撃する史上最高の絶景ライブなのかもしれません。

 

KIBO宇宙放送局の運営する「#きぼうを見よう」サイトで、ISSの現在地を確認することができる。夜と昼の変わり目が日の出が見えるタイミング

 

 

人生観すら変わるかもしれない、90分間の宇宙の旅。

 

さらにライブ配信だからこそ楽しめる仕掛けが用意されているのもいいですね。最近は録画されたものを倍速再生で見たりすることも多いわけですが、やっぱりライブにはライブでしか味わえない感動があります! 例えば、配信を見ながら「#宇宙なう」とツイートすると、あなたのツイッターアイコンが顔になった宇宙飛行士が地球のライブ映像の上にARとして登場! つまりAR上で「#宇宙なう」が実現するんです。さらにツイート時刻にISSのカメラが映した地球の上に宇宙飛行士となったあなたが浮かんだ、記念の年賀カードがもらえたり。年末年始に参加した特別な体験が目に見える形になって残るというのは、素直に嬉しいです。SNSでみんなに自慢したくなっちゃいますね。

 

 

また、地球を一周しながらその瞬間の地球の画像に撮影時刻やISSの位置情報、速度などを記録した、それぞれ世界にひとつだけの2022枚のNFTアートがリアルタイムで作成・販売されます。雲の形状や波の様子など一瞬たりとも同じ表情はない地球と、超高速で移動するISS。ふたつが交わる、まさに奇跡の瞬間を永遠に封じ込めた1枚の画像が、NFT化によって正真正銘の世界で1枚のアート作品になるってこと。なんだかロマンの塊みたいで胸熱です!

 

年齢も性別も言葉も文化も関係なく、世界中の人たちが見られるのが「みんなで #宇宙の初日の出 を見に行こう!〜THE SPACE SUNRISE LIVE 2022〜」。新年早々みんなでライブ視聴する一体感を味わったり、プロジェクターを使って地球の姿を臨場感たっぷりに映し出したり。楽しみ方は人それぞれ。漆黒の宇宙空間に青く輝くひときわ美しい星こそ

、私たちが住んでいる地球であることを実感できるだけでも素晴らしいことですし、90分間の宇宙の旅を終えたあとは、この惑星で暮らす日々が愛おしく感じられるはず。多くの宇宙飛行士がそうであるように、宇宙から見た地球をライブ鑑賞した後は人生観すら変わるかもしれません。2022年のスタートを飾るにふさわしい、極上のスペースエンターテイメントをぜひご覧ください!

 

 

「みんなで #宇宙の初日の出 を見に行こう!~THE SPACE SUNRISE LIVE 2022~」

 

みんなで一緒につながりながら、新しい1年の幕開けを宇宙で迎えます。#宇宙であけおめ #宇宙の初日の出 など、特定のハッシュタグをつけてツイートすると、特別な宇宙絵文字が追加される企画を実施。さらに新施策として、「#宇宙なう」とツイートすると、みなさんのアイコンがヘルメットにはめこまれた宇宙飛行士が地球のライブ映像の上に飛び出す演出など、さまざまな視聴者参加型企画も実施予定。詳細は公式サイトをチェック。

 

配信日時:2020年12月31日(木)PM23:30~2021年1月1日(金)AM2:30

媒体:KIBO宇宙放送局の公式Twitterアカウント(@KIBO_SPACE)で配信予定

 

MC:青木源太、東山奈央(声優)

出演者:若田光一JAXA宇宙飛行士、山崎直子宇宙飛行士、前田亜美(タレント)、河森正治(アニメーション監督)、速水奨(声優) ※出演順

共創パートナー:アマゾンジャパン合同会社、Twitter Japan株式会社、日本コカコーラ株式会社 ※五十音順