特別連載2021.11.14

平野陽三、宇宙へ行く。vol.7 9月18日:いざロシアへ。

photo & text Yozo Hirano

出発まであと81日。

ヒューストンでの予定を無事にこなし、いざロシアに向けて飛び立った。

 

ヒューストンからヨーロッパ周りで、モスクワまで10時間の空旅。雲の上はいつでも晴れていて、美しい夕日が僕たちを見送ってくれた。

 

NASA滞在中に僕が思っていたこと、感じていた不安を前澤に伝えようかと迷ったけど、いつでも全てお見通しの前澤には不要だと思ってやめた。僕の不安や迷いもまるっと分かった上で、それでも前澤は気にせず前に進んでいる。そのプレッシャーに耐えられるからこそ僕が選ばれたのだとも思いたい。言葉にして弱音を吐くのはやめておいた。

 

そんなことを考えていると、前澤が急に神妙な面持ちで僕たちに話し始めた。それは2022年の構想、つまりISSから帰ってきたあとどうするかという内容で、皆初めて聞かされるものだった。

 

前澤あるある。

大事なことは、いつも空の上で決まる。

 

<次の記事>vol.8 9月19日:モスクワに到着。

 

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