特別連載2021.11.14

平野陽三、宇宙へ行く。vol.8　9月19日：モスクワに到着。

photo & text Yozo Hirano

出発まであと80日。

機体はモスクワ近くのボヌーコボ空港に到着。

空港にはもう馴染みになったドライバーたちが迎えにきてくれていた。僕らは気の優しい彼らが大好きで、2ヶ月ぶりの再会を喜んだ。モスクワは渋滞がひどく、ドライバーのホスピタリティやドライビングテクニックはとても重要で、彼らは間違いなくロシアでトップドライバーだと思う。

チーム全員分のヒューストンからの荷物、ロシアでの2ヶ月間の荷物、そして打上げ場所であるカザフスタン・バイコヌールでの3週間分の荷物でパンパンだったけど、なんとか3台のワゴンに納まった。空港からは1時間掛けてモスクワ市街に入る。

今年に入ってこれで４度目のロシア。慣れたというか、もはや帰ってきたという感覚。初めは何となくどんよりしたロシア独特の重たい空気が好きではなかったけど、今では落ち着きすら感じる。いつのまにかモスクワの街並みが好きになっていた。

空港から40分ほど走って常宿に到着。ここのサービスマネージャーがまたとんでもないホスピタリティの持ち主で、これでもかというくらいいつも全力で僕たちを出迎えてくれる。こんな素晴らしいホテルマンには今まで出逢ったことがない、と言っていいほどの圧倒的ホスピタリティ。僕たちは彼女のことが大好きだ。

荷物を自分の部屋に上げ込んで一息つく。

さぁ、明日からいよいよロシア訓練が始まる。

平野陽三（ひらの・ようぞう）

1985年、愛媛県生まれ。2007年にZOZOTOWNを運営する株式会社「スタートトゥデイ」に入社、フルフィルメント部門の責任者として従事。現在は前澤友作氏のマネージャーと、「スペーストゥデイ」のプロデューサーを務める。