特別連載2021.11.14

平野陽三、宇宙へ行く。vol.10 9月21日:GCTCでの訓練2日目。

photo & text: Yozo Hirano

出発まであと78日。

今日もモスクワは雨。大雨ではないけど、途切れることなく静かに降り続いている。9月なのに朝の気温はもう5℃くらいしかない。訓練2日目のスターシティへ向かう。

 

今日のメイン講義は、今週の木金に予定されているサバイバル訓練についてのレクチャー。

宇宙に行くのになんでサバイバル訓練?と思うかもしれないけど、これは帰還カプセルが予定の位置から何らかの影響でズレてしまって、森の中や雪山、海上など想定外の場所に着陸してしまうという緊急事態に備えて、レスキューが救助に来るまでクルー3人でどう生き延びるか、というシミュレート訓練を行う。

 

通常3日間掛けて行われる訓練らしいが、僕たちは打上げまでもう日が差し迫っていることもあり、森の中での実地レクチャー1日と試験を兼ねたサバイバル本番の計2日間のプログラムとなった。残念ながら雪山と水上でのトレーニングは今回は行わないらしい。極寒の山中でのサバイバルや防水服を着ての水中ダイブなど、経験としてはやってみたかったなと思う。

 

森の中では、その場にあるものを応用してのテント張り、木の切り方や火の起こし方、ロープの結び方、防寒具やサバイバルキットの説明、レシーバーでの応援要請、怪我の応急処置などを学ぶ。男子ならほとんどの人がワクワクするであろう内容に心昂った。

 

今日の訓練はサバイバルトレーニングに関する授業と準備でほとんど終了した。明後日の実地訓練が待ち遠しい。

 

<次の記事>vol.11 9月22日:訓練二本立て。

 

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